平成少数派の生活と意見

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ドラマ『MOZU』は予告編が素晴らしく良かった

TBS×WOWOW共同制作ドラマ『MOZU』は予告編が素晴らしく良かった。じゃあ本編は?

本編についてはあまり語りたくない。でも、映画化が決まったようなので、期待を込めて、少しだけ。

MOZU

 

TVドラマ界に新風を巻き起こそうという意欲作

『MOZU』はTBSとWOWOWが共同制作した、意欲作だ。そこには低迷する日本のTVドラマ界に新風を巻き起こそうという意欲があったものと思われる。
その意気込みは買うし、実際このドラマには力が入れられていた。

でも、制作スタッフも演者も力が入りすぎていた。悪い意味で。
スポーツに限らず、何事も力みすぎたら結果は付いて来ない。

 

主演は西島秀俊さん

主演の西島秀俊さんは好きな役者さんだ。『ダブルフェイス』も『ストロベリーナイト』も『ジェネラル・ルージュの凱旋』も良かった。

西島秀俊さんは笑った時に寂しさを表現できる。あの、寂しそうな笑顔が女性の母性本能をくすぐるんだろうと思う。彼の大きな魅力だ。

でも、『MOZU』での役作りは端的に言って残念だった。役者の役作りに関しては監督が責任を持つべきだから、監督も同罪だ。あの、力みすぎた演技は無い。

 

『MOZU』の一番の問題点

『MOZU』の一番の問題点は、「制作者はハードボイルドの何たるかを分かっていない」、という事だ。所構わず煙草を吸っていればハードボイルドになるわけでは無い。

ストーリー展開は都合良すぎるし、新谷*1は拳銃で3発撃たれてビルから飛び降りても死なない!他にも細かい事を言ったら切りが無い程杜撰な設定がてんこ盛り。

『MOZU』は視聴率が取れず、その原因を色々言われているようだ。ストーリーが複雑すぎて視聴者がついて来られなかった、と制作者は考えたいだろう。

最近のヒットドラマを見るとそう言いたくなる気持ちも分かる。でも、あえて言いたい。ドラマの質が低いから(質の高い)視聴者が逃げたんだ。

映画にするなら、もっとディテールにこだわって作業をして欲しい。小さなホントを積み上げなかったら、大きなウソはつけない。「神は細部に宿る」のだから。*2

 


*1:重要な登場人物です。

*2:期待値が高かった分、厳しいことを言いました。ちなみに私は途中で脱落せず、最後まで観ました。細かい事にこだわらない人なら楽しめるドラマだと思います。