出口の無い道を行く日本
このとき書いたように、結果を知った後だからこそ言える。
「あの時株が上がるのはみんな分かっていた」。
「あの時円安になるのは分かりきっていた」。
日銀が追加緩和を決定
日本銀行は10月31日の金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切ることを決めた。
それを受けて、市場では大幅な「円安」「株高」が進んでいる。
WBSは「日本発で世界同時株高」と報道したほどだ。シカゴ日経平均先物を見ると、週明けの日本市場も上げ相場になりそうだ。
とりあえずは黒田日銀総裁のサプライズは上手く行ったと言えるだろう。しかし、長期的に見るとどうか。私は、日本はますます危ない道に突っ込んで行っていると思う。
黒田日銀総裁をはじめ、政策決定している人達はエリート中のエリートだ。間違うはずが無い。少なくとも私なんか足元にも及ばないほどの頭のいい人達だ。でも、エリートも間違う事があるという事を歴史は教えてくれる。
日本の参謀本部は、今では比べられるものが無いほどの、超が付くエリート集団だった。それでも、負けると分かっていた戦争を止められず、泥沼の中に突っ込んでいった。そして、実際に負けた。
今の日銀は当時の参謀本部にダブる。
難しくなる出口戦略
FRBは大方の予想通りQE3を終了した。
日銀もいつかは緩和政策をやめて政策を正常化しなければならない。
しかし、よく言われる事だが、アメリカと日本の大きな違いは、財政状況だ。
今の政治家の言動を見ていると、日本の財政状況を改善できるとは思えない。天文学的な日本の財政赤字を前にしても、あの人達はバラマキを主張し続けている。
黒田日銀総裁は9月の会見で、消費税の再増税の先送り論が浮上していることについて、先送りで財政再建への疑念が持ち上がれば「日銀として対応しようがない」と述べ、先送り論にクギをさした。
たぶん思わず本音が出たのだろう。
この発言は、日銀総裁が政府の政策に口出しするべきで無い、と首相のブレーンなどに叩かれた。しかし、このまま財政再建が進まず、日本の財政状況に疑念が生じれば、間違いなく日本は沈む。
日本売りを仕掛けて、たんまり儲けようと手ぐすね引いているヘッジファンドはたくさんいるのだ。そうなったら黒田日銀総裁本人が言うように、日銀として出来る事は無い。相当の危機感を持っているからこその発言だったのだろう。
いったい我々はどうすれば良いのだ?
止まらない円安、止められないインフレ、なんて時代が本当に来るのだろうか?
それは正直わからない。でも、自然災害に備えるように、万が一に備えておく必要があるように思う。
これからは、資産を円だけで持っている事がリスクになる。FX等を利用して、外貨資産を持つようにした方が良いだろう。海外での売上比率が高い企業に投資しておくのも対策になるかもしれない。海外企業に投資するのもアリだ。
いずれにせよ、なかなか難しい時代に差し掛かって来たのは間違いないのではないだろうか。地震と同じように、いつ“それ”が来るのかは分からないけれど。
■関連記事
君は勇気があるか? - 平成少数派の生活と意見