平成少数派の生活と意見

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シェール革命はなぜ革命と呼ばれたのか

ガソリンスタンド

 

ニュースモーニングサテライト』を観ていたら、堀古英司さん(『ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC』最高運用責任者)が、「シェール革命はなぜ革命と呼ばれたのかのか思い出してください」と言っていました。

ウィキペディアでは以下の様に説明しています。



シェール革命とは、今まで困難であったシェール層からの石油や天然ガスシェールガス)の抽出が可能になったことにより、世界のエネルギー事情が大きく変わることを指す。

シェールガス革命 - Wikipedia

 

 

堀古さんはもちろん一義的な意味は分かっていて、その上で、「だから安価なエネルギーが市場に大量に供給されるようになり、我々消費者が大きなメリットを享受出来るようになる事なんです」、と説明していました。

そして、現在の原油安を、「今まさにそれが始まったという事じゃないですか、原油安を大変だ大変だとあまり騒ぐ事は無いです、やっと我々消費者にもエネルギーコストの減少というメリットがやって来たという事なんです」、と続けます。

「短期的には市場が混乱するでしょうが、長期的に見れば原油安というのはメリットの方が大きいんです」、と。

ロイターのコラムでは、源平合戦になぞらえて今回の原油安相場を語っています。ちょっと長いけれど、面白いたとえだったので引用します。



この悩ましい状況は、1185年(元歴2年)3月に行われた源平最後の争乱となった「壇ノ浦の戦い」に構図が似ているのだ。

地図上で左側(西側)に平家の水軍、右側(東側)に源氏の水軍が位置して戦いは始まる。関門海峡では、午前に西から東への海流が強くなり、その間は平家が優勢。午後に海流の向きが逆転し、源氏が反転攻勢に出て、勝利した。午前中に持ちこたえたのが、源氏勝利の最大の要因だったと言える。

原油下落も同じことが言えそうだ。原油下落のプラス面が表面化してくる来年夏場以降までグローバルマーケットが持ちこたえ、暴落や恐慌に陥らなければ、年後半から原油下落効果で先進国経済が持ち直し、日銀は追加緩和なしに乗り切れる可能性が見えてくる(源氏勝利のパターン)。

しかし、前段でリーマンショック並みの混乱が世界経済を覆い尽くせば、日銀に限らず、米欧日はじめ各国は、金融政策を含めたマクロ政策の総動員を余儀なくされるだろう(平家勝利のパターン)。

 

堀古英司さんが番組でするアメリカ経済に対する予測はいつも強気で、私は勝手に堀古さんの事を攻めダルマと呼んでいるのですが、今回もいつもの様に強気な予想が聞けて満足でした。なんというか、信じるかどうかは別にして、強気予想をする人の話を聞くとこちらも元気になります。

私も、短期的には混乱が起こるにしても、エネルギー価格が下がるのは経済にとってはメリットが大きいと思っていたので(と、いうか良いに決まっているじゃん、と思っていた)、堀古さんも同じ考えと知って、自分の見立てに自信を持てたのでした。ただし、だからと言って儲けられるとは限らないけどね。orz

 

しびれるチャート

 

いやあ、しびれますねえ。

スイス国立銀行中央銀行)によるスイスフランの対ユーロ上限を廃止する決定を受けて、世界的な市場混乱が起きました。さすがのプロ達も相当やられたようです。



スイス国立銀行中央銀行)が15日にスイスフランの対ユーロ上限を廃止すると発表したことを受け、大規模なフランのショートポジションを抱える投機筋やマクロヘッジファンドが多額の損失を被りそうだ。

ショートポジションの規模は35億ドル超と、1年半強ぶりの高水準に膨らんでいた中での上限撤廃となり、フランは対ユーロとドルで急騰した。

 

 

 

日本の個人投資家スイスフランを取引している人は少ないようなので、大きな痛手は被っていないようです。ただし、今回の影響でユーロ・ドルやユーロ・円で損失が出た人はそれなりにいたとの事。



外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「スイスフランは個人の間で最も人気のない通貨の一つで取引量も非常に少ないが、さすがにスイス・円で50円近く変動すればかなり影響が出たことは間違いない」と指摘。スイス中銀の発表を受けてユーロが急落した場面で、「ユーロ・ドルやユーロ・円で損失が出た人はそれなりにいたし、瞬間的に市場全体の流動性が蒸発したような形となり、一瞬売買ができないような状態になった部分もあった」と話す。

 

 

 

これだけ急激に変化すると取引がなかなか成立せず、やっと成立した時は予想外の損失を被っていたという事になりがちで、実際、米FXCMの顧客の中には酷い事になっている人が大勢いるようです。



前四半期に過去最高の1兆4000億ドル(約163兆円)の個人取引を仲介した米FXCMは、スイス国立銀行中央銀行)によるフランの上限の撤廃決定を受けた世界的な市場混乱で、顧客口座が同社から2億2500万ドルを借り入れている状態になったと説明。同社の自己資本規制の順守が脅かされていることを明らかにした。

 

 

まあ、大損した人の裏側には大儲けした人がいるはずで、そういう人はウハウハなんでしょうが。投資の怖さを改めて感じた『スイスショック』でした。